不動産賃貸の基礎知識①(賃料不払いについて)


2014.12.8

弁護士の清水です。

これから数回にわたって賃貸借契約の基礎知識について掲載していきます。

賃貸借契約とは,貸主が借主に対し土地や建物などを貸し,借主がそれに対して賃料を支払う契約です。

この賃料を支払うことは賃貸借契約における借主の義務ですから,1か月分でも賃料を支払わなければ,それは契約違反となります。

売買契約など1回限りの契約の場合,契約当事者のどちらかに契約違反があれば催告をした上で契約を解除することができます。

この催告というのは,いつまでに代金を支払ってくださいというように,相手方に義務の履行を要求するものです。

 

もっとも,賃貸借契約においては,1か月分の賃料不払いによって契約違反となり,催告をした上ですぐに賃貸借契約を解除できることにはなりません。

1か月分でも賃料を支払わなければすぐに賃貸借契約を解除できるとしてしまうと,賃借人は住む場所を失うことになってしまい,あまりに酷だからです。

 

土地や建物の賃貸借契約において,1か月だけ借りるということはほとんどなく,ある程度の期間継続して借りることが通常です。

このような契約を継続的契約といいます。

この継続的契約の場合,1回限りの契約と異なり,契約当事者間の信頼関係が前提となっています。

そこで,契約違反があっても当事者間の信頼関係を破壊しないような事情がある場合には,賃貸借契約を解除できないとされています。

一方,契約関係を継続することが難しい程度にまで信頼関係が破壊されるような事情がある場合には,催告なしで賃貸借契約を解除できるとされています。

 

一般的には,1,2か月程度の賃料の不払いでは解除は認められず,半年程度の賃料の不払いがあれば契約解除が認められる傾向にあります。

なお,一般的によく使用されている賃貸借契約書では,1か月でも賃料の不払いがあれば催告せずに賃貸借契約を解除することができると記載されていますが,この規定に従って解除がなされても,裁判では直ちに解除が認められるわけではありませんので,注意が必要です。

 

以上のように,賃料の不払いがあった場合に賃貸借契約を解除することができるかどうかは,賃料の不払いがあった期間を始め,それ以外の貸主借主間の事情により,信頼関係が破壊されているかどうかが重要になります。

信頼関係が破壊されているかどうかについては,これまでの裁判例等に照らして判断することが必要となってきますので,借主が賃料を払ってくれないなどでお困りの方は是非とも当事務所までご相談ください。

以上

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